

自然界のデザイン
ああ、なんて素敵なんだろう。 絶妙なデザイン。色使い。 幾何学的な美しさの中から浮かび上がってくる自由画。 * 私は子供の頃から蝶々が好き。 モンシロチョウやアゲハチョウがひらひら舞っているのを見ると、キラキラと心がときめく。 けれど、蛾(ガ)は少し苦手だった。 子供の頃の蛾の思い出は、例えばキャンプ場の街灯の下をバタバタと群れて飛んでいたり、触れる手に鱗粉(りんぷん)がついてしまったり。なんだか体が太かったり顔もごつくて、どこか怖いような、なんとなく不気味なイメージを持っていた。 そんな私が変わったきっかけは、なんだったろうか。 最近は蛾や一部の虫など、今まで少し苦手だった生き物への興味が出てきて、可愛いなって感じる。 ある日、ドアを開けようとしたら、ちょうど目の前のガラスにぴたりと蛾がくっついていた。 なんとなく近付いてよく見てみた。なんと、その羽の模様が《顔》に見える。 左右の羽が重なる絶妙な匙加減で、なんとも面白く、ちょっと間抜けで、笑っているような人間の顔が浮かび上がっていたのだ。 わああ 私は心の中で感嘆の声を上げた。 ...
47 分前


生きるための三大要素(序章)
寝る、食べる、排泄する。 これは生きるための三大要素、生きるために最低限必要なこと。 私が心身の調子を崩し、闇の中で必死にもがきながらも光を渇望していた頃。 年上の友人に宛てて書いた長い手紙へ、彼女から分厚い返事が届いた。 そこに書かれていた言葉が、大袈裟ではなく、今の私の生きる指針となっている。 ”寝る、食べる、排泄する、それだけでいいのよ。 もし私があなたの母親なら、 あなたと一緒にどこまでも時をさかのぼり、 あなたと一緒にもう一度歩き直したい” 私はあまり人付き合いが得意な方ではないが、数少ない友人の中で、彼女は私にとって特別な存在である。「ご縁とは不思議なもの」である。 そう、肉体が生存し続けるという意味で生きるためには、たった三つがあればいいのだ。あの日の友人の言葉は、今でも私の魂にここちよく響きあい、私の軸となっている。 人は成長する中で、学校や職場などの環境から ”こうすべき” という枠組みを無意識に習得し、知らず知らずがんじがらめになっていく。それに気づかぬまま月日は流れ、糸が絡まって抜け出せなくなったり、病気になっ
20 時間前


たまごと餅米
左の手袋に たまごひとつ 右の手袋に 餅米をひとつかみ 両手袋の入り口を持ち 家をでた ばさばさっと スゴイ音 振り返ると 鳩が六羽 一斉に 屋根の上へ 横一列に並び 全員が こちらを見ている 道路に 餅米を少しまいてみた 公園が見えてくると 強い向かい風 公園内は 緑の覆い茂げる やすらぎ 残りの餅米も そっと足元にまいてみた ちょうどよい木 幹めがけて たまごをぶつけた とろりと 黄身が爆ぜた 祈り 先日の 感謝と 明日の 道中の安全と 風が やむ 藤井風の 帰ろう 小さく口ずさむ 涙が とめどなく溢れる ぱらりと 雨粒 涙を拭い Uターンして 歩きはじめた 雀に呼ばれた 餅米は きれいに消えていた 唯一無二の 今日という日 ありきたりの日常のなかで 7月6日 朝のこと
7月18日




